国からお金を借りる公的融資制度とは?

お金がなくて生活が立ち行かなくなっている人やビジネスで新規事業を立ち上げようと思っている方は、国からお金を借りる公的融資制度を活用してみるのがおすすめです。

国からお金を借りる公的融資制度であれば、民間の消費者金融や銀行サービスと比較して、低金利または無利子による借入が可能になります。

生活が困窮している人の場合、お金が借りられるのは助かりますが、金利が高いと返済に苦労してしまいますよね。

国からお金を借りるという形であれば、借りる側の負担が小さく抑えることができるので生活を立て直すことができるでしょう。

そこで今回は国からお金を借りる方法について解説していきます。

生活費が不足している方やこれから何かを始めるにあたって資金がネックになっている人は参考にしてみてください。

目次

国からお金を借りる方法は公的融資制度と生活福祉資金貸付制度の2種類

国からお金を借りる方法としては主に「公的融資制度」と「生活福祉資金貸付」の2種類があります。

公的融資制度は主に事業者向けに提供されている融資制度で、新規事業を始める方などが資金調達をするために国からお金を借りることができます。

生活福祉資金貸付は、主に貧困などで生活が立ち行かなくなっている人などを対象にした融資制度となっています。

生活を立て直すためにお金を借りたり、進学など特定の目的を実現したりするためにお金を借りることができます。

公的融資制度と生活福祉資金貸付で提供されている主な制度としては以下のようになっています。

国からお金を借りる方法 具体例
事業資金が必要なときに利用する「公的融資制度」
  • 個人事業主も融資の対象となる日本政策金融公庫の「一般貸付」
  • 新規事業をスタートさせる人は日本政策金融公庫の「新創業融資制度」
  • 地方自治体が提供する「開業資金融資制度」
  • 商工会議所で指導を受けた小規模事業者向けの「マル経融資」
  • 積立金の範囲で借入ができる「小規模企業共済」
  • 倒産して給料が払えない場合は「未払賃金建替払制度」
生活費が必要なときに利用する「生活福祉資金貸付制度」
  • 申し込みから1週間で融資が受けられる「緊急小口資金」
  • 年金受給者向けに借入ができる「年金担保貸付制度」
  • 職業訓練を受けている人が利用できる「求職者支援資金融資」
  • ひとり親世帯の生活費を融資する「母子父子寡婦福祉資金貸付金」
  • 子供の学費が必要なときに使える「教育一般貸付」
  • 学生が自分の名義で学費の融資が受けられる「奨学金制度」
  • 看護師を目指す方が無利子で借入できる「看護師等就学資金」
  • 生活に困窮している人が無利子で借入できる「善意銀行」
  • 生活費の給付や自立支援が受けられる「生活困窮者自立支援制度」
  • 病気や障害が原因で働けない人は「生活保護」

自分の置かれている状況を考慮した上で適切な制度を活用するようにしておきましょう。

また、自分がいつお金に困ってもいいように、いざという時の相談窓口を把握しておきてください。

では、それぞれの公的融資制度の内容について詳しくみていきましょう。

どんな人を対象にした融資制度なのか、どのような条件でお金を借りることができるかなど、細かい内容について解説していきます。

事業資金が必要なときに利用する「公的融資制度」

公的融資制度は主に新規事業者などを対象に事業資金が必要な方への融資を行う制度です。

新規事業を行う上で銀行から融資を受けるよりも、より低い金利でお金を借りることができるため、事業の資金繰りの負担も軽減することができるでしょう。

事業資金の融資を受ける場合には、一般的に日本政策金融公庫を利用するという方法があります。

40種類以上の事業者向け融資を展開しているため、自分の状況にあった制度が活用できるでしょう。

主な公的融資制度としては以下のものがあります。

種類 対象 限度額 金利 返済期間 担保/保証人
一般貸付 金融業、遊興娯楽業、投機的事業以外の事業者 4,800万円、特定設備資金は7,200万円 2.06%〜2.55% 運転資金7年以内
設備資金10年以内
特定設備資金20年以内
不要
新創業融資制度 新たに事業を始める人
事業開始後に税務申告を2期終えていない人
3,000万円 2.36%〜2.85% 運転資金7年以内
設備資金20年以内
不要
開業資金融資制度 新たに事業を始める人
事業開始後に税務申告を2期終えていない人
3,500万円 1.5%〜2.5% 運転資金7年以内
設備資金10年以内
不要
マル経融資 商工会議所や商工会で経営指導を受けている小規模事業者 2,000万円 1.21% 運転資金7年以内
設備資金10年以内
不要
小規模企業共済 小規模企業共済に1年以上加入している事業者 積立金の範囲内 1.5% 期限一括償還or6か月ごとの元金均等割賦償還 不要
未払賃金建替払制度 会社を倒産させてしまい、従業員の給料を支払えない事業者 未払い額の8割までor最高370万円 不要

では、それぞれの制度について細かい内容や対象者などを詳しくみていきましょう。

個人事業主も融資の対象となる日本政策金融公庫の「一般貸付」

種類 一般貸付
対象 金融業、遊興娯楽業、投機的事業以外の事業者
限度額 4,800万円、特定設備資金は7,200万円
金利 2.06%〜2.55%
返済期間 運転資金7年以内
設備資金10年以内
特定設備資金20年以内
担保/保証人 不要

一般貸付は、日本政策金融公庫が取り扱っている融資制度で、融資が受けられる対象者の幅が広いことに特徴が挙げられます。

起業して1年目の個人事業主も融資の対象になっているため、誰でも気軽に頼ることができるでしょう。

通常だと事業資金を調達するためには、起業してからある程度の年数が経過していることが条件に含まれている業種もあります。

一般貸付では、こういった細かい融資条件が設定されていないので、ビジネスを始めたての方でも利用して、資金を調達することができます。

制度の背景には、将来性などを考慮して経済の活性化を目指すことが掲げられており、2%程度の低金利で高額の融資を受けることができます。

金融業や、遊興娯楽業、投機的事業の場合は融資を受けることはできませんが、担保や保証人を設定する必要がなく最高7,200万円を借りることができる好条件の融資制度は他にないでしょう。

民間の金融機関で事業資金を借りると、10%以上の金利が設定されるのが普通なので一般貸付がいかにお得かがわかるでしょう。

こちらはあくまで事業資金向けの融資制度で開業資金の融資ではないので注意をしてください。

利用するためには事業をスタートさせている必要があります。

新規事業をスタートさせる人は日本政策金融公庫の「新創業融資制度」

種類 新創業融資制度
対象 新たに事業を始める人
事業開始後に税務申告を2期終えていない人
限度額 3,000万円
金利 2.36%〜2.85%
返済期間 運転資金7年以内
設備資金20年以内
担保/保証人 不要

これから新しく事業をスタートさせる方や起業される方は、日本政策金融公庫が提供している新創業融資制度を活用するのがおすすめです。

開業資金の調達にぴったりな制度でもあり、新しく事業をスタートさせる方や創業してから2年未満の事業者が融資の対象になっています。

起業や新規事業を活性化することで地域を盛り上げることを目的としており、最大3,000万円までの融資を受けることができます。

しかも、金利は2%台と非常に低く設定されているのが魅力です。

金融機関から融資を受ける場合、事業主としての信用が築けていないと、融資に対して担保を設定する必要が生じます。

しかし、こちらの新創業融資制度では、担保や保証人の設定は不要なので、非常に安心です。

こちらの制度は銀行を通じて申し込むことができるので、利用したいと思った方はお近くの銀行の窓口まで行ってみるといいでしょう。

新しいチャレンジをする上での心強い融資制度と言えますね。

地方自治体が提供する「開業資金融資制度」

種類 開業資金融資制度
対象 新たに事業を始める人
事業開始後に税務申告を2期終えていない人
限度額 3,500万円
金利 1.5%〜2.5%
返済期間 運転資金7年以内
設備資金10年以内
担保/保証人 不要

新創業融資精度を受けるためには審査に通る必要があります。

しかし、事業計画などによっては審査に落ちてしまうことがあるでしょう。新創業融資制度に落ちてしまったという人は、地方自治体が提供している開業資金融資制度を活用するのがおすすめです。

開業資金融資制度は、新商業融資制度の地方版ようなイメージの融資制度です。

地方自治体が運営しており、地域の活性化を目的に提供されているため、地域に即した事業であれば審査に通る可能性が高くなります。

各都道府県ごとに開業資金融資制度が提供されているので、お住まいのエリアの精度を調べてみるといいでしょう。

ちなみに都道府県ごとの開業資金融資制度をまとめると以下のようになっています。

都道府県 名称 限度額 金利
東京都 東京都中小企業制度融資「創業」 3,500万円 1.5%〜2.5%
神奈川県 創業支援融資 3,500万円 1.6%〜1.8%
大阪府 開業サポート資金 3,500万円 1.2%〜1.4%
愛知県 創業等支援資金 3,500万円 0.5%〜1.1%

どの制度も最高で3,500万円までの融資を受けることができますし、金利についても高くても2.5%と非常にお得な条件でお金を借りることができます。

地方に根ざした事業を行う予定の方は、地方自治体の運営している開業資金融資精度を活用して、新規事業の資金調達をしてみてはいかがでしょうか。

また、こちらは開業資金を調達するための制度でもあるため、経営が立ち行かなくなった方などは別の制度を活用する必要があります。

商工会議所で指導を受けた小規模事業者向けの「マル経融資」

種類 マル経融資
対象 商工会議所や商工会で経営指導を受けている小規模事業者
限度額 2,000万円
金利 1.21%
返済期間 運転資金7年以内
設備資金10年以内
担保/保証人 不要

マル経融資は、商工会議所での経営指導を受けている方を対象に融資を行なっている制度です。

事業資金の融資を受けることができるため、経営を立て直すときや事業を発展させるときなどに活用することができます。

対象の事業者としては、従業員数が20名以下であることが条件になっており、法人や個人事業主が経営改善に必要な資金を融資してもらうことができます。

借り入れたお金は経営改善のために効果的に活用する必要があるため、利用にあたってマル経融資の経営指導を受けて、推薦をもらう必要があります。

推薦をもらうためには6ヶ月以上の経営指導を受ける必要があるので、事業の雲行きが怪しくなってきた場合には、早めに商工会議所に相談をしておいた方がいいでしょう。

借入できる金額は最高2,000万円と小規模な事業者が経営を立て直すには十分な金額と言えるでしょう。

マル経融資の金利は1.21%と非常に低く設定されているので、利息が負担になることもありません。担保や保証人も設定する必要はありません。

小規模事業者の場合は、普段から関わりのある団体や制度を活用することで、事業資金の融資を受けることができます。

積立金の範囲で借入ができる「小規模企業共済」

種類 小規模企業共済
対象 小規模企業共済に1年以上加入している事業者
限度額 積立金の範囲内
金利 1.50%
返済期間 期限一括償還or6か月ごとの元金均等割賦償還
担保/保証人 不要

小規模企業共済は、1年以上の期間加入している事業者を対象に提供されている貸付制度となっています。

毎月の積立金を行う中で、その範囲から借入をする形になっているため、審査を受ける必要がありません。

審査を受けずにその日のうちに借入ができるので、すぐにでも資金が必要な方にとって心強い存在と言えるでしょう。

審査不要で小規模企業共済から借入ができる条件は以下のようになっています。

  • 資金繰りが困難で事業資金を借りたい場合
  • 入院したときや災害による被害を受けた場合
  • 同居する親族の福祉向上を目的としたリフォーム資金を借りたい場合
  • 新規開業や転業する場合
  • 事業承継に必要な資金を借りたい場合
  • 廃業を円滑におこなうために必要な資金を借りたい場合

小規模企業共済は、事業資金の借入だけでなく、災害などで被害を受けた場合のリフォーム費用にも使うことができます。

審査が不要なので、申し込んだその日のうちにお金が借りられるのも魅力ですね。

スムーズに手続きが進めば、申し込みから1時間程度でお金を受け取ることができるようです。

借入をしても小規模企業共済を解約するわけではないので、返済後に廃業や退職をしたとしても共済金を受け取ることができます。

倒産して給料が払えない場合は「未払賃金建替払制度」

種類
未払賃金建替払制度
対象
会社を倒産させてしまい、従業員の給料を支払えない事業者
限度額
未払い額の8割までor最高370万円
金利
返済期間
担保/保証人 不要

未払賃金建替制度は、会社が倒産してしまって、従業員への給料を支払うことができなくなった場合に利用できる制度です。

従業員の給料を立て替えることができるので、余計なトラブルを防ぎながら事業を畳む準備を進めることができるでしょう。

全国の労働基準監督署が窓口になっており、申請することで従業員の給料の未払い額のうち80%を立て替えてもらうことができます。

毎月支払われる給料だけでなく、以下のような項目も対象に含まれます。

種類 内容
定期賃金 基本給や通勤手当など
退職金 退職した労働者に支払われるお金

事業主としても、従業員に対して給料を支払うのは義務ですし、違反することで裁判に発展したり、法令違反によって懲役や罰金が課せられる可能性もあります。

先立つものがないからといって給料の未払いが続くぐらいでしたら、未払い賃金建替制度を活用してください。

ただし、こちらの公的融資制度の審査については慎重に行われるため、必ずしも審査に通って借入ができるわけではありません。

スムーズに手続きを進めて、書類についてももれなく揃えることで、融資までの時間を短縮できるので、あらかじめ把握しておくようにしましょう。

事業経営をしている方は、いざというときに備えて申請方法などを確認しておきましょう。

生活費が必要なときに利用する「生活福祉資金貸付制度」

生活に必要なお金が不足しているときには「生活福祉資金貸付制度」を利用するのがおすすめです。

さまざまな貸付制度が用意されており、状況に応じて最適な制度を利用することができます。

失業や病気などで生活が立ち行かなくなった場合の貸付制度もありますし、進学などで必要になる学費が足りない場合などにも使えるものもあります。

生活費を補う、生活を立て直す、学校に通うなど、それぞれの目的に応じてどれを利用すればいいのかを把握しておきましょう。

今回ご紹介する生活福祉資金貸付制度」は以下のようになっています。

種類 対象 限度額 金利 据置措置 返済期限 担保/保証人
緊急小口資金 手持ちのお金がない人 最大10万円 無利子 借入日から2ヶ月間 据置期間経過後1年以内 不要
年金担保貸付制度 年金受給者 最大200万円 2.1%〜2.8% 年金受給権/連帯保証人が必要
求職者支援資金融資 ハローワークの職業訓練を受講している人 二人以上:月額最大10万円×受講予定訓練月数
単身世帯:月額最大5万円×受講予定訓練月数
3.0% 訓練終了後の3ヶ月後まで利息のみでよい 不要
母子父子寡婦福祉資金貸付 20歳未満の子供を持つひとり親 無利子〜1.0% 不要
教育一般貸付 世帯年収が1,190万円以下で子供の学費が必要な人 350万円 1.26%〜1.66% 不要
奨学金制度 大学生・短大生・専門学校生で学費が必要な人 月額最高15万円 0.4%〜 不要
看護師等就学資金 看護師を目指している人 月額最高83,000円 無利子 5年以上働くと返済を免除 不要
善意銀行 生活に困窮している人 最大10万円 無利子 不要
生活困窮者自立支援制度 仕事や住居がなく困窮している人 各種支援 不要
生活保護 病気や障害で仕事ができない人 地域や大人数による 不要

消費者金融よりも低い金利での借入ができるようになっているので、利息の負担も小さくて済みますし、もしもの際にも適切な援助を受けることができます。

もちろん国が提供する税金を利用した制度でもあるため、申請手続きや審査の厳格さは伴います。

審査に時間がかかって融資までに1ヶ月程度かかることもしばしばあるので注意をしてください。

もし今すぐにお金が必要という場合には、消費者金融で即日融資を受けた方がいいかもしれません。

申し込みから1週間で融資が受けられる「緊急小口資金」

種類 緊急小口資金
対象 手持ちのお金がない人
限度額 最大10万円
金利 無利子
据置措置 借入日から2ヶ月間
返済期限 据置期間経過後1年以内
担保/保証人 不要

緊急小口融資は、最大10万円と金額自体は地裁のですが、申し込みから最短1週間程度でお金を借りることができます。

何らかの事情で手持ちのお金が足りなくなっている人に対して、一時的に生活費を貸し付けるというのが目的の制度なので、他の制度と比べても対応の迅速さが際立っています。

また、担当の方に今すぐにでもお金が必要であることを伝えれば、通常1週間のところをさらに迅速に対応してもらうこともでいます。

条件面についてはそこまで厳格に規定されているわけではなく、とにかくあらゆる事情でお金が足りずに困っている人を助けるための制度なので、常に頭に入れておけばいざというとにに役立つでしょう。

また、迅速に対応してもらうための事情として該当するものとしては以下の通りです。

  • 解雇や休業が原因で収入が減って生活が困難になった人
  • 急な体調の悪化によって医療費や介護費の支払いが迫っている人
  • 火災や地震といった自然災害に被災して生活費が不足している人
  • 年金や保険、公的な給付金が支給されるまで生活費が足りない人
  • 滞納した税金や国民健康保険料、年金保険料を支払う人
  • 公共料金を滞納したことが理由で生活が困難になっている人
  • 給料を盗まれて当面の生活費が不足している人

これらの事情に該当する場合には、最短3日で対応してもらえる可能性があります。

事情を正確に伝えるために、証明するための書類を用意しておけば、より対応を早めてくれるでしょう。

返済期限は借入から1年2ヶ月以内ですが、利子はないですし、返済が負担になることはまずないでしょう。

ただし、10万円までの融資になっているため、高額の借入を希望する場合は別の制度を活用しなければなりません。

年金受給者向けに借入ができる「年金担保貸付制度」

種類 年金担保貸付制度
対象 年金受給者
限度額 最大200万円
金利 2.1%〜2.8%
据置措置
返済期限
担保/保証人 年金受給権/連帯保証人が必要

年金担保貸付制度とは、年金を受給する権利を担保にお金を借りることができる制度です。

将来的な年金受給権を使ってお金を借りるため、対象者としては国民年金や厚生年金を受給している年金受給者のみとなっています。

通常だと働いていて安定した収入を得ていないと、借入を利用することはできません。

サービスによっては年金受給者も対象に含まれていますが、一般的に審査に通りにくい属性と言えるでしょう。

そういった事情があるなかで年金担保貸付制度を利用すれば、年金生活をしている人でも利用することができます。

最大200万円まで借りることができますし、金利は2.1~2.8%と民間の金融機関の貸付よりも格段に低く設定されています。

基本的に年金を担保にした貸付借入は法律によって禁止されているのですが、この年金担保貸付制度は、年金を使って借入ができる唯一の方法となっています。

ただし、令和4年3月末で申し込み受付を終了しているため、今後もお金を借りたいと思っている方は、別の融資制度を利用するようにしてください。

職業訓練を受けている人が利用できる「求職者支援資金融資」

種類 求職者支援資金融資
対象 ハローワークの職業訓練を受講している人
限度額 二人以上:月額最大10万円×受講予定訓練月数
単身世帯:月額最大5万円×受講予定訓練月数
金利 3.00%
据置措置
返済期限 訓練終了後の3ヶ月後まで利息のみでよい
担保/保証人 不要

求職者支援資金融資とは、ハローワークで実施されている職業訓練を受講している方を対象に提供されている融資制度です。

最大120万円まで借りることができる制度になっており、職業訓練中に受け取ることができる月額10万円の職業訓練受講給付金だけでは生活ができない人に向けて融資を行う形になっています。

借りられる金額は世帯人数に応じて決まっており、以下のような基準になっています。

世帯人数 借りられる金額 金利 担保や保証人
2人以上 月額最大10万円×受講予定訓練月数 3.0% 不要
単身世帯 月額最大5万円×受講予定訓練月数

世帯人数が多いほど借りられるお金は多くなっていきます。金利は3.0%と低く設定されているので、利息が負担になることもないでしょう。

担保や保証人を用意する必要もないので、スムーズに申請から借入まで進めることができるでしょう。

また、借りたお金の返済については、職業訓練の受講後3ヶ月後までは利息分のみの支払いでいいので、生活が安定するまで返済を先延ばすこともできます。

生活費を融資で補いながらも、返済のスケジュールがゆったりとしているので、計画的に利用することができるでしょう。

求職中で突然の出費などがあって生活費が不足しているという人は求職者支援融資を活用してみるといいでしょう。

ひとり親世帯の生活費を融資する「母子父子寡婦福祉資金貸付金」

種類 母子父子寡婦福祉資金貸付
対象 20歳未満の子供を持つひとり親
限度額
金利 無利子〜1.0%
据置措置
返済期限
担保/保証人 不要

母子父子寡婦福祉資金貸付は、母子家庭や父子家庭といったひとり親の家庭を対象に提供している融資制度です。

ひとり親世帯で生活費や住宅費などさまざまな面でお金が不足した際に、支援を受けることができます。

経済的に不安定になることが多いひとり親世帯にとって、母子父子寡婦福祉資金貸付はいざというときに役に立つ心強い存在と言えるでしょう。

利用条件としては、20歳未満の子供を養育しているひとり親世帯であることが求められ、この条件さえ満たしていれば誰でも利用ができます。

借入の内容についてはさまざまな項目に分かれているので、状況に応じて利用するのがおすすめです。

母子父子寡婦福祉資金貸付
種類 内容 金額 金利
生活資金 ひとり親になって7年未満や失業中などの生活費 10万〜14万円 無利子〜1.0%
住宅資金 住宅の購入やリフォームに必要な資金 150万〜200万円 無利子〜1.0%
転宅資金 引っ越しにかかる資金 26万円 無利子〜1.0%
修学資金 高校や大学の授業料や書籍代、交通費など 月額4万8千円〜9万円 無利子
就学支度資金 子供の学校で必要な被服等の購入に必要な資金 4万円〜42万円 無利子
修業資金 子供の就職に必要な知識技能を習得するための資金 月6万8千円 無利子
就職支度資金 就職に必要な被服や履物、通勤用自動車の購入費 10万〜33万円 無利子〜1.0%
結婚資金 子供が結婚する際に必要な資金 300万円 無利子〜1.0%
医療介護資金 医療や介護を受けるのに必要な資金 34万〜50万円 無利子〜1.0%
技能習得資金 開業もしくは就職に必要な知識技能習得にかかる資金 最高46万円 無利子〜1.0%
事業開始資金 開業に必要な設備や什器、機械の購入資金 285万円 無利子〜1.0%
事業継続資金 現在営んでいる事業を継続するための運転資金 143万円 無利子〜1.0%

項目によっては最高で300万円の借入を利用することもできますし、母子父子寡婦福祉資金貸付のほとんどの項目がほぼ無利子で使うことができます。

利子がない中でこれだけのお金が無条件に借りられるというのは本当に助かりますよね。

ひとり親世帯というターゲットが限定された支援制度ではありますが、これほど好条件で借入ができる融資制度もないので、対象の方は常に母子父子寡婦福祉資金貸付を頭に入れておくといいでしょう。

子供の学費が必要なときに使える「教育一般貸付」

種類 教育一般貸付
対象 世帯年収が1,190万円以下で子供の学費が必要な人
限度額 350万円
金利 1.26%〜1.66%
据置措置
返済期限
担保/保証人 不要

子供の教育費が不足しているという人は、日本政策金融公庫が提供している教育一般貸付を利用するのがおすすめです。

1.66%という低金利でお金を借りることができるので、進学費用や学費などをしっかりと賄うことができます。

経済的な理由で進学を諦める子を減らすことを目的にしているため、通常よりも良い条件でお金を借りることができます。

融資を受けられる条件としては子供の人数と保護者の年収が定められています。

子供の人数 保護者の年収
1人 790万円
2人 890万円
3人 990万円
4人 1090万円
5人 1190万円

そこまで融資の条件は厳しくないですし、銀行などの金融機関が提供している教育ローンと比較しても、金利はかなり低いです。

融資を受けた後も負担にならないのが嬉しいですね。

ちなみに国の教育ローンと銀行系の教育ローンでは、金利が以下のように異なります。

金利の種類 金利
国の教育ローン 固定 1.66%
三菱UFJ銀行の教育ローン 変動 3.975%
三井住友銀行の教育ローン 変動 3.475%
みずほ銀行教育ローン 変動 3.475%
りそな銀行の教育ローン 変動 4.475%
イオン銀行の教育ローン 変動 3.8%
ろうきんの教育ローン 変動 平均2.5%
JAバンクの教育ローン 変動 平均2.575%

銀行の教育ローンの半分以下の金利で融資を受けることができるのが魅力です。

さらに、銀行の教育ローンは変動金利が採用されているため、借入中に適用される金利が上下して、利息が増える可能性も考えられます。

国の教育ローンは固定金利なので、借入期間中も金利は融資を受けた時から変わりません。

子供を高校や大学に通わせる学費が捻出できずに困っている人は、国の教育ローンを利用してみてください。

また、世帯収入など経済的により苦しい状況にある世帯については、通常よりも低い1.26%で金利を下げてもらえます。

金利が下がる条件としては以下が該当します。

  • 母子家庭や父子家庭などのひとり親家庭
  • 子供が3人以上で年収500万円以下の家庭
  • 世帯年収が200万円以下の家庭

なので、手続きをする際に、家庭環境や経済状況などをより詳しく説明するといいでしょう。

学生が自分の名義で学費の融資が受けられる「奨学金制度」

種類 奨学金制度
対象 大学生・短大生・専門学校生で学費が必要な人
限度額 月額最高15万円
金利 0.4%〜
据置措置
返済期限
担保/保証人 不要

奨学金制度は、大学などに進学をする方が自分の名義で学費を借りることができる制度のことです。

経済的な理由で進学が困難な学生でも、お金を借りて進学することができますし、返済については卒業後に就職してからでいいので、それほど困ることもありません。

奨学金には「貸与型」と「給付型」の2つがあるのですが、それぞれの違いとしては以下のようになっています。

奨学金の種類 概要 メリット デメリット
貸与型 学費を「借りる」奨学金制度
  • 募集をかけている団体が多い
  • 採用されやすい
  • 在学中は返済不要 など。
  • 連帯保証人と保証人が必要
  • 将来、就職状況によって返済できるか不安が生じる
  • 返済できないと個人信用情報機関に登録されてしまう
給付型 返済する必要がないタイプの奨学金
  • 借りて返さなくても良い
  • 受給資格が厳しい
  • 貸与型に比べて採用人数が少ない

給付型だと借入ではなく、学費をそのまま援助してもらえるので返済をする必要がなくなります。

ただ、学業の成績など給付を受けるための条件が厳しくなっているので、基本的には貸与型で利用する形になります。

貸与型の奨学金では、在学中は利息が発生しないので、学生でいる間は利息の心配をする必要がありません。

経済的な理由で親がお金を借りるというのが困難な場合は、自分の名義でお金を借りることができる奨学制度を活用してみてください。

看護師を目指す方が無利子で借入できる「看護師等就学資金」

種類 看護師等就学資金
対象 看護師を目指している人
限度額 月額最高83,000円
金利 無利子
据置措置
返済期限 5年以上働くと返済を免除
担保/保証人 不要

看護師・保健師・助産師を目指している方で学費の援助が必要な場合には、無利子で借りられる看護師等就学資金を利用するのがおすすめです。

看護師の人手不足から提供が開始された融資制度で、そのため無利子で借りられるなど条件が非常に整っております。

融資される金額については課程によって以下のように異なっています。

種別 課程 設置主体 月額
第一種
  • 看護師
  • 保健師
  • 助産師
国公立 32,000円
その他 36,000円
准看護師 21,000円
大学院修士課程 83,000円
第二種 全て 全て 最大50,000円

また、第一種で借りたお金については、学校卒業後に指定の施設で5年以上働くことで返済が免除されるという特典もあります。

給料から天引きされるという意味ではなく、5年以上働くという条件をクリアすれば、自動的に返済が免除されるので、お金を借りるという意識で利用する必要がないのもいいですね。

ちなみに返済が免除されるのは第一種の場合のみで、第二種については返済が必要になるので注意してください。

また、第一種と第二種は併用して借りることができるのが、看護師の専門学校に通っている方であれば、かなりの金額を融資してもらえることができます。

看護師などの特定の目標がある方で、学費の支払いがネックになっている人は、こういった融資制度を活用してみるのがおすすめです。

生活に困窮している人が無利子で借入できる「善意銀行」

種類 善意銀行
対象 生活に困窮している人
限度額 最大10万円
金利 無利子
据置措置
返済期限
担保/保証人 不要

善意銀行とは、寄付によって成り立っている団体で生活が困窮している人に対して一時的な融資を行なっています。

寄付銀行の融資事業はボランティアによる寄付金によって行われており、利益を目的にしているわけではないため、無利子による借入ができます。

1回で借りられるお金としては最大10真年となっており、無職の方でも借りることができるのが特徴です。

申し込みは全国の社会福祉協議会でできるようです。融資される金額としては、地域によって異なるようです。

全国の善意銀行で借りることができる金額としては以下のようになります。

市区町村 金額
青森県八戸市 3万円
岩手県釜石市 3万円
山梨県笛吹市 3万円
静岡県掛川市 3万円
愛知県安城市 10万円
愛知県西尾市 5万円
長野県下諏訪町 10万円
福井県鯖江市 3万円
千葉県我孫子市 10万円
兵庫県播磨町 5万円
兵庫県養父市 10万円

基本的に生活が困窮している状態であれば審査に通って融資を受けることができるので、条件はそれほど厳しくはありません。

ただし、生活が困窮していることをしっかりと説明しなければならないので、自分の状況を相手にきちんと伝えられるように情報を整理しておくといいでしょう。

生活費の給付や自立支援が受けられる「生活困窮者自立支援制度」

種類 生活困窮者自立支援制度
対象 仕事や住居がなく困窮している人
限度額 各種支援
金利
据置措置
返済期限
担保/保証人 不要

生活困窮者自立制度は、仕事や住居がない状態で生活が困窮している人を対象に、生活再建のサポートを行うという制度です。

現金を給付したり、融資したりといったよりは、自立支援や就業支援など具体的なサポートが中心になっています。

住居がない人に対しては、住居確保給付金として一定期間家賃相当額を支給してもらうこともできますが、そのほかに関しては生活再建のアドバイスやプラン作りであったり、就業支援や家計改善の支援が中心となっています。

生活困窮者自立支援制度の主な内訳としては以下のようになっています。

種類 内容
自立相談支援事業 自立に向けての支援プランを作成してもらえる
住居確保給付金の支給 一定期間、家賃相当額を支給してもらえる
就労準備支援事業 就労に向けた支援や就職先を紹介してもらえる
家計改善支援事業 家計を立て直すためのアドバイスや借入先を紹介してもらえる
就労訓練事業 すぐに働けない人に個別のプログラムで就労訓練をしてもらえる
子どもの学習、生活支援事業 生活困窮世帯の子どもが学習や生活の支援を受けられる
一時生活支援事業 住居のない人が宿泊場所や衣食を提供してもらえる

宿泊場所や家賃の給付も受けられるので、住む場所がないほど生活に困っている人にもおすすめです。

お金だけでなく、生活を立て直すためのサポートも受けることができますし、問題が解決されるまで何度も利用することができるとうのが特徴です。

病気や障害が原因で働けない人は「生活保護」

種類 生活保護
対象
病気や障害で仕事ができない人
限度額
地域や大人数による
金利
据置措置
返済期限
担保/保証人 不要

生活保護は、病気や障害が原因で仕事ができない人を対象に、必要最低限の生活を保障するための費用を支給する制度です。

福祉事務所から申請を行うもので、憲法25条の生活保護法を根拠に制度が成り立っています。

病気や障害など正当な理由で仕事ができないと認められる必要があり、申請では慎重な審査が行われます。

医師の診断書を用意すれば病気や障害の信頼性が高められるので、申請が通りやすくなるでしょう。

こちらの制度は融資ではなく、支給なので返済する必要はありません。

金額については自治体や年齢、世帯人数などによって異なります。

ケース 生活扶助 住居扶助 合計金額
東京都八王子市に単身で住む40代男性の場合 78,600円 53,700円 132,300円
愛知県名古屋市に住む70代の高齢者夫婦の場合 117,160円 44,000円 161,160円
千葉県千葉市に30代女性と小学生の2人で住む母子家庭の場合
115,690円 49,000円 164,690円
大阪府豊中市に住む小学生の児童2人と40代夫婦の4人世帯の場合
173,220円 55,000円 228,220円

また、生活保護を受給するには以下の条件を満たす必要があります。

  • 世帯収入が最低生活費以下
  • 親族から援助を受けられない
  • 預貯金や土地などの財産がない

病気や怪我で働けず、周囲の親族などからの援助が受けられない方は生活保護の援助を受けてみてください。

国からお金を借りる際に抑えておきたいポイント

国からお金をかりるときにはいくつかのポイントを押さえておかなければなりません。

国がやっている事業や福祉でもあるため、しっかりとした手続きを経ないと融資を受けることができないので注意してください。

お金を借りるときに抑えておきたいポイントとしては以下の6つが挙げられます。

  • 必要書類を事前に用意しておくとスムーズに進められる
  • 無利子で融資を受けたいなら連帯保証人を用意する
  • 担当者に協力的な態度を示すと審査に通りやすくなる
  • スケジュールに余裕を持って申請をする
  • 融資までにお金が足りなくなる場合は民間金融機関から借りて繋ぐ
  • あくまで「融資」なので返済が必要となる

では、具体的にどのような内容なのか詳しくみていきましょう。

確実にお金を借りるためにもきちんと理解しておいてください。

必要書類を事前に用意しておくとスムーズに進められる

国からお金を借りるには、必ず手続きの際に提出する必要書類を用意しなければなりません。

必要書類は申請する事業によっても異なりますが、本人確認書類以外にもさまざまな書類の提出が必要になるケースもあります。

国からの融資を受けたいと思っている方は、事前に手続きの内容をしっかりと把握した上で、必要となる書類を事前に準備しておくとスムーズに進めることができるでしょう。

やはり必要書類を揃えるのが後回しになってしまうと、いざ手続きの際に提出を忘れてしまったり、書類の不備でやり直しが必要になったりします。

手続きによっては審査を行うために大量の書類が必要になることがあります。

例えば、生活福祉資金貸付では以下のような書類の提出が求められます。

  • 借り入れ申込書
  • 世帯全員分の住民票(直近1ヶ月以内)
  • 世帯全員の収入証明書類
  • 免許証や保険証など本人確認書類
  • 求職活動など自立に向けた取り組みについての計画書
  • 個人情報の提供についての同意書
  • 引っ越し費用の場合は不動産契約書、住居確保給付金支給対象者証明書など
  • 借用書
  • 破産歴がある場合は自己破産免責許可決定通知書
  • 民事再生をした場合は民事再生計画の認可決定書

書類の種類によっては準備するのに時間がかかるものもあるので、早めに動いて準備を進めておくようにしましょう。

また、基本的な融資を受ける手続きの流れについても把握しておくとスムーズに進めやすいです。

STEP1 社会福祉協議会に相談 市役所にある社会福祉協議会で、担当者に融資を受けたい旨を伝える
STEP2 申し込み 申し込み用紙に年収や家族構成などの必要事項を記入する
STEP3 必要書類の提出 本人確認書類・家族構成がわかる書類(住民票など)・保証人の収入証明・自立計画書・個人情報提供の同意書など制度に応じて用意する
STEP4 審査 利用者の属性や、提出書類などから「本当に融資をしてもいいのかどうか」を判断する
STEP5 融資 所定の金額が融資される

必要書類のチェックリストを作成して、手続き時に漏れがないようにしてください。

無利子で融資を受けたいなら連帯保証人を用意する

国からの融資は種類にもよりますが、基本的に利子が存在します。民間の金融機関からの借入と比較すると圧倒的に低い金利で借りることができるのですが、それでも利息が増えるのは嫌だという人は多いはずです。

利息をなくして少しでも負担を抑えたい場合には、申請をする際に連帯保証人を用意しておくといいでしょう。

お金を貸す側にとって、貸したお金が返ってこないのが最も大きなリスクなのですが、連帯保証人がいればいざというときでもお金が返ってくるので安心です。

貸倒れのリスクをなくすことで、無利子またはより低い金利でお金を借りることができるでしょう。

また、連帯保証人の有無によって金利が変わる公的融資制度としては以下のようになります。

公的融資制度 連帯保証人ありの金利 連帯保証人なしの金利
生活福祉資金貸付制度 無利子 1.5%〜3.0%
母子父子寡婦福祉資金貸付金 無利子 1.0%
一般貸付 1.06%〜2.15% 2.06%〜2.55%
新創業融資制度 1.06%〜2.15% 2.36%〜2.85%

生活費に困った方向けの融資制度であれば、連帯保証人を用意することで無利子による借入ができるようになります。

また、審査にも通りやすくなるので、信頼関係を築いている人がいるのであれば、連帯保証人を用意するという方法もおすすめです。

担当者に協力的な態度を示すと審査に通りやすくなる

国からの融資を受ける手続きをする際には、書類に必要事項を記入するだけでなく、担当者との質疑応答なども行われます。

その際に、担当者に対して協力的な態度を示すことで、印象を良くすることができ、審査に通りやすくなります。

年齢や年収、家庭環境などももちろん重要となるのですが、そういった数字上のデータに加えて、人柄に関しても重要な要素になっています。

非協力的な態度をとっていると信頼が得られませんし、生活を立て直してお金をきちんと返済する人だと評価されにくくなるでしょう。

一方で、担当者の質問などに丁寧に対応して、1つ1つの指導を受け入れるかのような姿勢でいると審査に協力的と判断されて融資が受けられやすくなります。

担当者に媚びる必要はありませんが、自分の状況を正確に詳しく話したり、質問に対してしっかり答えるなど、誠実さと真面目さが求められます。

この人なら大丈夫だと思われれば、多少の融資条件を考慮してもらえるかもしれません。

スケジュールに余裕を持って申請をする

公的融資制度は、実際にお金が必要になる1ヶ月前ぐらいから手続きを開始するようにしてください。

民間の融資サービスと比較して、公的な融資制度は提出する必要書類も多いですし、審査も慎重に行われるため、実際にお金が受け取れるまでに時間がかかってしまいます。

一般的に窓口で手続きをしてから1ヶ月以上かかるケースも少なくなく、融資対象を厳格に見定める必要があるため、本当にお金が必要なときに間に合わない可能性もあるでしょう。

最もスピーディーに融資が行われる緊急小口融資であっても、諸々の条件をクリアした上で最短3日の融資となります。

そのほかの公的融資制度だと1ヶ月は普通にかかってしまうので、手続きはスケジュールに余裕を持って行うようにしましょう。

融資までにお金が足りなくなる場合は民間金融機関から借りて繋ぐ

国からお金を借りることができる公的融資制度や生活福祉資金貸付制度は、審査を慎重に行うために手続から融資まで1ヶ月間もの時間がかかることがあります。

そのため融資を受ける前に生活費や事業資金が尽きてしまうといったことが起きる可能性もあるでしょう。

そういったリスクに備えるためにも、融資までに時間がかかりそうだと思った方は、民間の金融サービスからお金を借りて繋ぐことをおすすめします。

民間の金融機関であれば、即日融資にも対応していますし、無利息期間も使えるサービスも多いので、借りたとしてもそこまで負担にはなりません。

国から融資してもらったお金を返済に充てれば、利息の心配もなく、生活費を手に入れることができますね。

また、公的融資制度で融資を受けるまでに生活が困窮しているという方は、臨時特例つなぎ資金貸付制度を活用するという方法もあります。

臨時特例つなぎ資金貸付制度とは、公的融資制度などの融資が開始されるまでの間の生活費を支給するという制度です。

担保や保証人も不要ですし、無利子で最大10万円まで借りることができます。

臨時特例つなぎ資金貸付制度の対象になるのは以下の制度です。

  • 失業等給付
  • 生活保護
  • 住居確保給付金
  • 職業訓練受講給付
  • 生活福祉資金総合支援資金

住居のない離職者のみに利用が限られているので注意をしてください。

あくまで「融資」なので返済が必要となる

今回ご紹介した公的融資制度や生活福祉資金貸付制度は、そのほとんどが「融資」という形をとっているため、当然ながら「返済」が必要になります。

低金利や無利息の制度が多いので、返済自体がそこまで負担になることもないのですが、お金を「借りている」という意識を忘れないようにしましょう。

制度を利用する際には、金額だけでなく、利子の項目や返済期限の項目を必ずチェックをして、生活を立て直すことができたら、返済を完了させることに集中をしてください。

お金を借りているということを忘れていると、いつまで経っても返済を終えることができなくなってしまいますし、返済のルールに違反してしまうと、今後公的な融資を受けることができなくなる可能性もあるので注意してください。

国からお金を借りる方法に関するよくある質問

国からお金を借りる方法に関するよくある質問をまとめました。

ここまでの内容で気になる部分があった人はこちらを参考にしてみてください。

質問1 国からお金を借りる個人向け融資の種類は?

回答1 公的融資制度であれば「一般貸付」「新創業融資制度」「開業資金融資制度」「マル経融資」「小規模企業共済」「未払賃金建替払制度」、生活福祉資金貸付制度であれば「緊急小口資金」「年金担保貸付制度」「求職者支援資金融資」「母子父子寡婦福祉資金貸付金」「教育一般貸付」「奨学金制度」「看護師等就学資金」「善意銀行」「生活困窮者自立支援制度」「生活保護」があります。

質問2 どこからもお金を借りることができない場合は?

回答2  不用品を売却したり、単発バイトやクラウドソーシングでお金を集めましょう。

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